総務省の「労働力調査」によると、昭和60年の女性雇用者数で産業別にみると「サービス業」464万人で全体の30%を占めてトップでしたが、平成27年では578万人で23.4%と最も多く、「卸売業・小売業」の20%が続いています。
平成22年に「卸売業・小売業」を上回って以降、トップは「医療・福祉」が続いています。
一方で、女性役員を除く雇用者に占める「非正規の職員・従業員」の割合は、平成15年に「正規の職員・従業員」を上回って以降、ほぼ一貫して増加しています。
このような社会情勢の変化を考慮すると、今後も超高齢社会にあって産業別では「医療・福祉」において女性の雇用が増加傾向を見せており、なおかつ当面増えると思われます。
しかしながら、医療・介護分野ではまだまだ正規雇用の比率が少ない状況にあり、派遣事業などにおける常雇用が増えるのかが注目されます。
男女雇用機会均等法から30年
1986年に施行されてから30年以上が経過しました。募集や採用にあたり、男女の取り扱いを均等にしようとするもので、配置・昇進・教育訓練、福利厚生、定年・退職・解雇などについて、女性労働者であることを理由にした男性労働者との差別的な取り扱いを禁止したわけです。
さらに、2007年4月1日施行の改正法では、
(1) 男女双方への性差別の禁止(均等法から差別禁止法へと転換)
(2) 権限の付与や業務の配分、降格、雇用形態・職種の変更、退職勧奨、雇い止めなどについての性差別の禁止
(3) 間接差別禁止
(4) 妊娠・出産・産前産後休業の取得を理由とした不利益取り扱いの禁止
(5) 男女間の格差解消のための積極的取り組むことを企業が開示するにあたり、国が支援
(6) セクハラの対象に男性も加え、予防、解決のため具体的措置をとるよう事業主に義務づける
(7) 調停の対象にセクハラも加わる
などの条項も加わりました。
こうした努力で、日本における男女格差が少しでも縮まることを期待したいと思います。男女にはものごとの見方や考え方、感じ方などには、必ず性差が存在します。その意味で、商品開発への視点ばかりか、介護・福祉・医療の現場、ものごとの感じ方など多様に反芻されることが満足度の高い社会変革につながるのではないでしょうか。
こうした視点から、わたしたちも板橋区や周辺地域を中心に、社会福祉法人として役割を認識して地域貢献の一翼を担っていきたいと考えています。